つみたてNISAで運用を始めようにも、どの投資信託をどのような配分で保有するかを悩みますよね。今回筆者は、以下の2つの投資信託を9(オールカントリー)対1(国内債券)で保有する方法を提案します。
- つみたてNISA口座:eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 特定口座:eMAXIS slim 国内債券インデックス
なお、この方法で迷いが出るなら、8資産均等型などのバランスファンドも検討の余地があります。併せて以下の記事もご覧ください。
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全世界株式に10%国内債券を組み入れる
「eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)」をつみたてNISAで購入し、特定口座で「eMAXIS slim 国内債券インデックス」を購入してください。その投資比率は、オールカントリー9(90%)に対し、国内債券を1(10%)の比率をオススメします。
この運用を行なうと、資産全体で大きな損失が発生する可能性をある程度軽減でき、かつある程度の利益を獲得できることを期待できます。
理由:歴史的に強かった株式を中心に、国内債券の「逆相関」を利用する
そもそも、歴史的に最も儲かった金融商品は「株式」です。だから、「これからも株式に投資し続ければ儲かるだろう」という前提のもとで、つみたてNISAの制度は成り立っています。
出典:株式投資の未来
しかし、もっと短期で見た場合、株式は値動きの大きい金融資産で、その値動きの大きさゆえに途中でドロップアウトしてしまう投資家も少なからずいます。将来の利益を掴み取るためには、途中でやめてはいけないので、なんとか継続する方法を見出さないといけないのです。
そこで、国内債券の出番です。
国内債券は多くの資産に逆相関の関係にあり、両者を併せて保有すると、値動きを低減できる効果を期待できます。例えば、三菱UFJ国際投信のデータを見ると、様々な資産に対して明確に逆相関になるのは国内債券だけです。
しかし、国内債券は利回りが低い(マイナス金利なのでなおさら)ので、国内債券比率を高めると期待される利益も大幅に減ってしまうデメリットがあります。
そこで、ここでは国内債券を10%だけ組み入れて、資産全体の緩衝材としながら、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)で利益を狙うことを考えます。筆者検証では、債券を10%加えることで、おそらく投資額の5%程度の損失を軽減できると予想します(このクッションは、特に巨大な金融危機下で強く働く)。
保有の仕方
- つみたてNISA口座:eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 特定口座:eMAXIS slim 国内債券インデックス
そもそもeMAXIS slim 国内債券インデックスはつみたてNISAの対象外ですので、特定口座で保有し、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)をつみたてNISA口座で保有します。より大きな利益を期待できるのはオールカントリーのほうですから、つみたてNISAの非課税メリットを生かしつつ、資産全体の大幅な下落は国内債券インデックスで低減できるという仕組みです。
応用:オールカントリー以外の先進国株式や米国株式でもよい
ここでは例題にオールカントリーを挙げましたが、例えば「eMAXIS slim 先進国株式インデックス」や「SBIバンガードS&P500インデックスファンド」などの先進国株式や米国株式などに国内債券を加えても問題ありません。
国内債券は先進国株式や米国株式に対しても逆相関なので、価格変動の低減を期待できます。
この話を信用できないなら「8資産均等型」を
こういった具体的な配分を提案すると、
- 先進国債券は必要?不要?
- REIT(不動産投資信託)は必要?不要?
と聞かれることが多いです。もし、eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)に少量のeMAXIS slim 国内債券インデックスを組み入れる運用に不安があるなら、最初から全てを保有する「eMAXIS slim バランス(8資産均等型)」や「つみたて8資産均等バランス」などを保有したほうが良いです。
この8資産タイプは、そもそも「将来どの資産が値上がりするかわからない」という前提で、「わからないから全てに投資する」という運用を行なうものです。「投資できるものには全て投資しておく」という点で、必要かどうかを検討しなくて済む商品です。
基本的に、下手にポートフォリオを組むよりも8資産均等型は良く出てきている商品です。根拠の無い配分をおすすめと提案するよりかは、8資産均等型の商品を買ったほうがてっとり早いことは申し添えておきます。
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まとめ
- つみたてNISA最強のポートフォリオは全世界株式(オール・カントリー)を利用した世界分散投資。歴史上、株式はもっとも強い資産だった
- しかし、株式のみで運用すると値動きが大きくなりやすい。その緩和策として、国内債券ファンドを少量加えると値動きを低減できる
- この話が信用できないなら、8資産均等型を。8資産均等型は「次に何が値上がりするかわからない」との前提で、投資できるもの全てに投資している
ポートフォリオというと、なんだか小難しい運用をしなければいけないような気になりますが、実際にはシンプルに考えれば良いのです。というわけで、今回は全世界株式と国内債券の2つで運用するパターンを紹介しました。
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