結論から述べると、つみたてNISAでは原油に投資できません。一般NISAを使えば原油に連動するETFは投資信託を買えますが、原油への投資はかなり特殊なので、個人的にはおすすめできません。
一般に、原油価格が安いタイミングとは、世界の景気が低迷し、原油需要がなくなった時です。言い換えると、そのような状況は株式もまた安くなってるのです。
個人的には、原油ETFなどにお金を振り分けて、「コンタンゴ」で減価するのを眺めるよりも、つみたてNISAを使って世界の株式などを大量に買っていったほうが、将来幸せになれると思うんです。
ちなみに純金など、他のコモディティも一緒ですよ!
では、詳しく見ていきましょう。
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つみたてNISAでは原油に投資できません
原油に連動する商品がありません
つみたてNISAで購入できる商品は金融庁認定の投資信託のみで、原油は対象外です。つみたてNISA対象の投資信託の中で、原油に投資する投資信託もありませんので、つみたてNISAでお得に原油に投資しよう、というのは諦めてください。
一般NISAなら購入できます、がおすすめしません
一般NISAなら原油に投資するETF(WTI原油価格連動型上場投信)や投資信託などを購入できます。
ただ、原油に連動する商品はおそらくあなたが考えているよりも複雑です。というのも、一般に原油価格に連動するETFや投資信託は、原油先物を使うことが多いです。原油先物には先物特有のコストなどがありますので、安いタイミングで仕込んでおいて、中長期的の保有して、高くなったら売ろうと考えると、思ったよりも儲からないかもしれません。
先物型ETFは、先物取引の価格を用いる指標に連動するETFまたは主に先物取引に投資を行うETFです。
・先物型ETFが投資をする先物について、決済期日が長い限月の先物が短い限月の先物よりも価格が高い状態(コンタンゴ)の場合、先物取引の次限月以降の限月への乗換え(ロールオーバー)を繰り返すことで、当該ETFが継続的に減価していくことがあります。
・そのため、コンタンゴかつロールオーバーを繰り返すタイプの先物型ETFで中長期の投資を行う場合には留意が必要です。
・とりわけ、商品先物取引やボラティリティ指数先物取引等はコンタンゴとなることが多い傾向にあります。
2020年の状況を見ると、5月限の原油価格は歴史上初めてとなるマイナス価格で終わりました。
NY原油価格、史上初のマイナス 新型ウイルスで供給過剰 | BBC
一方、6月物の原油はもちろんプラスの価格で取引されていますから、コンタンゴが発生しています。つまり、原油ETFをただ持ってるだけで、このコスト分を支払うこととなってしまい、将来の利益が減ってしまうのです。
原油よりもつみたてNISAに投資したほうが良い
そもそも原油にわざわざ投資しなくても、世界の株価はある程度原油価格と正の相関を持っています。つまり「原油が安いから投資しよう」と思ったら、原油ではなく株式に投資したほうがいいのです。
以下はドル建ての全世界株式(ACWI)と、アメリカの原油ETF(USO)の価格の相関性をとったものです。これによると、期間の平均は0.59で、最近は0.775まで上昇しています。
出典:https://www.portfoliovisualizer.com/asset-correlations
冷静に考えてみてください。
企業の一部は原油を採掘したり、精製して販売したりします。原油価格が下がるということは、これらの企業の売り上げも減るわけですから、株価も下がりますよね?
また、同じように原油の需要が減るということは、原油を使う企業の活動が鈍っていることです。つまり、景気が低迷しているから、原油の需要が減っているわけで、それはやはり株安要因だと思いませんか?
わざわざ、小難しい原油ETFや原油価格に連動する投資信託に投資する必要はないんです。
原油の代わりに、つみたてNISAで世界の株式に投資しておけば、原油価格が上昇するときには、つみたてNISAの利益も出ていると筆者は思います。
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まとめ
- つみたてNISAを使って原油に投資することはできません
- 一般NISAでは原油ETFなどに投資できますが、原油先物特有の事情(コンタンゴ等)の理由から、利用しないほうが良いです
- 世界の株式と原油価格は正の相関があるので、原油価格が安い今こそ、つみたてNISAで株式を買っておくべきだと思う
筆者も昔は原油ETFなど買ったことがあるので、気持ちはわかるんですけどね。
でも、つみたてNISAで株式を買っておいたほうが良いと思いますよ!
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