タイトルで述べたとおりです。
「つみたてNISAで高配当な株式は買えません」
つみたてNISAで購入できるのは金融庁が認定した投資信託のみで、そのほとんどは分配金を出さずに運用しています。あなたがもし、配当金投資などに魅力を感じるのであれば、つみたてNISAよりも一般NISAが向いています。
なお、つみたてNISAと高配当投資は平行して実行できます。その場合、高配当株は特定口座(課税口座)を利用します。個人的にはつみたてNISAと高配当投資の両用をオススメしたいです。
[スポンサーリンク]
高配当投資出来ない理由
対象商品の大半は分配金を出さないインデックスファンド
つみたてNISAの対象商品のほとんどは分配金を出さないインデックスファンドです。そもそも、つみたてNISAでは、以下のような商品は買えないのです。
★つみたてNISAで買えない、配当金・分配金重視の商品例
- 利回り4%を超えるような銀行株・商社株
- 高配当銘柄から成る高配当ETF(上場投資信託)
- 毎月分配型の投資信託
というわけで、以下の記事で触れたように、つみたてNISAを利用していて分配金を貰う機会はまずないでしょう。
つみたてNISA対象商品は分配金を出さないのはなぜ?
分配金を出さないほうが利益が増えるから
今後の法改正で変わるかもしれませんが、2019年10月現在では分配金を出さずに運用をしたほうが、結果的に投資家の利益に繋がるからです。
投資信託が分配金を出すと、その分配金には20.315%の税金(所得税 + 住民税 + 復興特別税)が課税されます。仮に分配金を出さずに運用すると、その税金が引かれることはありませんので、投資家はその分を「複利」運用できるのです。
「特別分配金」という失敗から
また、つみたてNISAが作られた背景には、個人投資家が表面利回りの高い毎月分配型の投資信託を購入し、その運用で失敗を繰り返したという苦い歴史も関係しています。投資信託の分配金には「普通分配金」と「特別分配金(元本払戻金)」があるのですが、これを区別できなかった方が多いのです。
加えて、元本払戻金が出ると投資しているお金が減ってしまいます(元本が払い戻されるので)。投資しているお金が減るということは、当然将来期待される利益も減ってしまうことを意味します。
つみたてNISA対象投信の条件には「分配頻度が毎月でないこと」との条件があります。金融庁が毎月分配型投信のことを良く思っていない証拠でもあります。
非課税での高配当投資に関心があれば「一般NISA」を
といった事情から、つみたてNISAで高利回りの配当金を貰うという運用はできません。もしあなたが配当金を貰う運用に関心があれば、一般NISAの利用をオススメします。
ただ、一般NISA自体は2023年までの制度で、延長の可能性はないと思います。今から一般NISAを利用するのはもう遅い気もしますね。
特定口座で高配当株を買おう
というわけで、筆者は以下のような運用を提案します。
★配当金・分配金重視の商品を資産運用に取り入れる
- つみたてNISAで投資信託の積み立て
- 特定口座(課税口座)で高配当株などへの投資
株主優待投資と同じで、非課税メリットのない特定口座で高配当株を購入する案ですね。
実際、筆者も特定口座で配当金・分配金利回りの高い株式やETFを購入しています。つみたてNISAには分配金イベントが無いため、高配当株・ETFの配当金や分配金が運用の「潤い」になるためです。
やっぱり、配当金とかもらえると嬉しいですもんね。
[スポンサーリンク]
まとめ
- つみたてNISAで高配当株投資はできません。高配当のETFも買えません
- どうしても非課税で投資したければ、つみたてNISAよりも一般NISAを
- 課税されてもよければ、特定口座で高配当株を購入できる。その場合はつみたてNISAと平行して利用できる
余談ですが、資産運用には「コア・サテライト運用」という考え方があります。
運用資産を、「安定運用の<コア>」と「積極運用の<サテライト>」に分け、バランスよく組み合わせながら、資産全体の運用効率を引き上げることを目指す投資手法です。
この考えに則り、
- コア部分:つみたてNISAで投資信託の積み立て
- サテライト部分:特定口座(課税口座)で高配当株などへの投資
と考えて、運用してみるのはいかがでしょうか。
コメント