つみたてNISAでどんな商品を購入できて、買えないものはなにか、ってご存知ですか。このあたり結構誤解があるようで、筆者運営サイトには「株主優待銘柄をつみたてNISAで買いたい」とか「つみたてNISAでソーシャルレンディングを始めたい」とか正しくない検索ワードで流入されてくる方がいます。
そこで、改めてつみたてNISAの対象商品について復習をしましょう。
つみたてNISAの対象商品が絞られている理由には、過去の研究や金融庁の様々な試算結果、そして個人投資家のよくある失敗談などが反映されているからです。つまり、つみたてNISAは投資未経験の初心者が始めても失敗しにくく、上手く儲かりやすい特徴が揃えられています。
つみたてNISAってかなり力の入った制度だって知ってました?
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つみたてNISAで買えるもの
金融庁認定の一部の投資信託のみ
つみたてNISAで買えるものは、金融庁が認定した一部の投資信託(および僅かなETF)のみです。
金融庁のページに条件が書いてありますが、以下がつみたてNISA対象投信へ課せられた条件です。
★つみたてNISA対象の投資信託の条件
- 販売手数料はゼロ(ノーロード)
- 信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
- 顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
- 信託契約期間が無期限または20年以上であること
- 分配頻度が毎月でないこと
- ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
一部の投資信託に限られた理由
以下のワニーサのツイートが役立つと思います。要点をざっとまとめると、以下の通りです(これは「インデックス投資」と呼ばれる投資のメリットで、つみたてNISAはインデックス投資を非課税で行なう為の制度です)。
★つみたてNISA対象商品のメリット
- つみたてNISAは初心者が資産形成しやすい制度
- 購入できるのは手数料の安価な投資信託に限定
- こつこつ積み立てて購入できる
- 長期間続けるとプラスのリターンに
【💡#つみたてNISA のポイント①】
こんばんワニーサ❗️
今日から、つみたてNISAのポイントをご紹介していくよ🎶
つみたてNISAは、
🌈年間40万
🌈非課税期間20年
🌈長期・積立・分散投資に適した商品に限定
初心者さんはじめ、幅広い方がコツコツ資産形成をするのに利用しやすい制度なんだ✨
— つみたてワニーサ (@Wa_nisa_FSA) May 22, 2018
【💡#つみたてNISA のポイント②】
対象商品を 「投資信託」に限定😊
その特徴は…💡
🌈まとまったお金がなくても少額から投資が可能 (ex.1000円から)✨
🌈どの会社に投資すればよいかわからない人でも、分散して投資が可能 (ex.マーケット全体に)✨ pic.twitter.com/6qDimd4umU
— つみたてワニーサ (@Wa_nisa_FSA) May 22, 2018
【💡#つみたてNISA のポイント③】
コツコツ、「つみたて」投資に限定😊
時間を味方に❗️長期で分散した投資を行うことがポイントなんだ💡
過去20年間、毎月1万円ずつ、分散投資を行っていた場合のデータがこちら✨ pic.twitter.com/P3M5KSt1cn
— つみたてワニーサ (@Wa_nisa_FSA) May 23, 2018
【💡#つみたてNISA のポイント④】
「低コスト」の商品に限定😊
コストの低い商品を、
長期で運用することが重要なんだ💡手数料の高い商品は、運用結果にバラツキがあり、赤字🔥になっているものも少なくないんだ… pic.twitter.com/MGZCfWjGS8
— つみたてワニーサ (@Wa_nisa_FSA) May 24, 2018
今日は、「長期・積立・分散投資の効果」について紹介するよ✨
1998年から20年間日経平均に毎月積立投資をした場合、資産評価額は約1.8倍に‼️
途中相場の下落があっても、投資をコツコツ続けることでプラスになっているんだね😳
こういった長期・積立・分散投資にはつみたてNISAがピッタリだよ! pic.twitter.com/ajexphtQoI
— つみたてワニーサ (@Wa_nisa_FSA) October 4, 2018
端的に言ってしまえば、つみたてNISAはできるだけ投資の未経験者でも勝ちやすく制度設計されたものです。しかも、誰でもできるように、毎月1万円といった低額での積み立てに対応しています(というか、積み立て前提の制度です)。
投資信託自体は古くからある金融商品ですが、特に銀行での運用に問題があるなど、玉石混交の強い商品でした。つみたてNISAでは販売手数料をゼロにし、信託報酬に厳しい制限を課すことで、「石」をできるだけ取り除いている点で画期的です。
つみたてNISAで買えないもの
「一部の投資信託」を除いた、その他全ての金融商品
金融庁認定の投資信託を除く、その他の商品は全てつみたてNISAの対象外商品です。
★つみたてNISA対象外の主な金融商品
- 国内外の株式(株主優待銘柄や累投(株式累積投資)も含む)
- 個人向け国債
- その他の国内外の債券
- ロボアド(ウェルスナビ・テオ・楽ラップ・マネックスアドバイザーなど、全て)
- ソーシャルレンディング
- ビットコインや仮想通貨
- FXや先物など
これらの商品は、
★つみたてNISA対象外となった主な理由(推測含む)
- 債券の場合:そもそも非課税にするメリットが薄い(儲けが少ないので)
- 株式の場合:一般NISAがある。加えて、誰でも勝てるとは言いがたい
- ロボアド:技術は素晴らしいが、商品としてのコストが高い
- ソーシャルレンディング:投資家保護の観点で危うい部分あり
- ビットコインや仮想通貨:投資家保護の観点で危うい部分あり
- FXや先物など:投資家保護の観点で危うい部分あり
など、金融庁のお墨付きを与えられない事情も含まれます。加えて、投資信託とは異なり、「誰でも勝てる」とは言い切れない商品ばかりです。
金融庁の検証含め、投資信託(インデックスファンド)を使った資産形成の有用性はかなり学術的に研究されてきました。つみたてNISAで投資信託の運用が推されている背景には、これまでの研究実績もあるからなのです。
つみたてNISAでは買えないが、一般NISAでは買えるもの
つみたてNISAでは買えないが、一般NISAでは買える商品もあります。
★つみたてNISAでは買えないが、一般NISAでは買えるもの
- 国内外の株式(株主優待銘柄・高配当銘柄など)
株式を買いたいなら、つみたてNISAではなく一般NISAをお使いください。例えば、以下の記事で紹介するように、非課税メリットを生かして株主優待銘柄や高配当銘柄を買いたいならば、つみたてNISAよりも一般NISAが向いています。
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まとめ
- つみたてNISAで買える商品は、金融庁が認定した一部の投資信託のみ。これまでの個人投資家の失敗や学術的な研究も参考に、個人が勝ちやすい商品が選定されている
- 金融庁認定の投資信託を除くと、その他の金融商品はつみたてNISAの対象外。これらはリスクの高い商品だったり、そもそも非課税にするメリットが薄い商品などが含まれる
- 株式はつみたてNISAでは買えないが、一般NISAでは購入できるので、選ぶならそちらを
よく「株主優待銘柄をつみたてNISAで買いたい」みたいな誤解が見られます。でも、それは無理な話で、使えるのは一般NISAです。
つみたてNISAで買えるのは、厳しい条件をクリアした、初心者でも儲かりやすい投資信託のみなのです。
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