「つみたてNISA」を利用する上で、どうしても判断上避けて通れないのが「日本株」への投資をどうするかです。
と言っても、日本株へ投資する商品はたくさんあります。
- TOPIXに連動するもの:11種類
- 日経平均株価に連動するもの:12種類
- JPX日経400に連動するもの:5種類
- その他、バランスファンドやアクティブファンドで日本株に投資するものもあり
ここで言いたいのは「日本株に投資できないからどうしよう」とか「日本株への投資が多すぎるからどうしよう」って話じゃないんです。
問題なのは、
- 日本が人口減少社会に突入し、株価はどうなるのか
- そもそも私たちは日常的に日本に「投資している」
の2点です。
様々な考え方があるでしょうが、筆者は「つみたてNISA」で日本株の割合は低めに持つべきだと思っています。
むしろ無くてもいいかな、ってぐらいです。
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つみたてNISAで日本株への投資比率は低くすべき理由
理由1:日本は人口減少社会である
人口推移予測の精度は高い
あなたもご存知の通り、日本は人口減少社会に突入しており、今後さらに人口が減っていくと考えられています。
人口推移の予測は、将来の株価の予測などに比べると、はるかに精度が高いとされています。
“確かな将来予測の指標”として中長期のシミュレーションに利用されているのが「人口予測」。人は30年後まで生きていれば、確実に30歳年をとる。人はいつ死ぬかわからないが、調査する対象者の数を増やしていけば、過去の実績をもとに各年齢での死亡率が高い精度で予測できる
生産年齢人口6000万人割れに -2040年の日本、衝撃のシミュレーション | PRESIDENT online
人口予測の精度が高いのは、株価などに比べると、人口をコントロールする要素が限られているからです。
そのため、現在発表されている日本の将来の人口予測は実現する可能性が高いと考えられます。
人口が減ったら株価が下がるのか?
さて、その際に気になるのが「人口が減ったら株価は下がるのか」です。
ある見解によると、日本は株式や投資信託等の金融資産を持つ層は60歳以上に偏っているため、この層が高齢化することで株価の下落圧力を受けるかもしれない、との指摘があります。
日本においては、60歳代においては依然株式の保有比率が高いが、70歳代においては株式の保有比率が低下している。以上から、今後、「団塊の世代」と呼ばれる第一次ベビー・ブーム世代が70歳代になると、日本の実質株価は低下圧力を受けることが予想される
金融調査研究会報告書 少子高齢化社会の進展と今後の経済成長を支える金融ビジネスのあり方(PDF)
ただ、現在の日本市場は外国人投資家の売買も多いですし、正直どうなるかはわからないところです。
実際のところ、国の人口が多いから株価が高いとも限りませんし。
もし、あなたが日本の人口減少とともに株価が下がると考えるなら、日本への投資割合は減らして考える必要があります。
将来人口の増えそうな地域
なお、人口と株価が関連するとするならば、将来人口が増えそうな地域に積極的に投資すべきですよね。
国連の推計によると、2050年に人口の多い国として
- インド
- 中国
- ナイジェリア
- アメリカ
- インドネシア
が挙げられています。
これらの国が成長し、株価も上昇すると考えるならば、例えばMSCI ACWIに連動する投資信託へ投資することで、各国の成長を享受可能です。
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理由2:そもそも私たちは日本に「投資」している
実は投資経験がない人ほど、日本に「集中投資」していると言えます。
というのも、私たちは銀行にお金を預金しますが、このお金は日本国内の企業へ融資されたり、日本国債の買い付けに当てられたりするからです。
そのため、
- 生活に必要な現金・預金を持ち
- つみたてNISAで日本に投資し
- その他、株主優待銘柄を買ったり、確定拠出年金で預金を利用したり
などとやっていると、必然的にあなたの投資したお金はすべて日本国内に流れることになります。
1つのカゴに卵を盛ってない?
さてご存知の通り、投資には「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります。
卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむということ。
特定の商品だけに投資をするのではなく、複数の商品に投資を行い、リスクを分散させた方がよいという教え(=銘柄分散投資)卵は一つのカゴに盛るな(たまごはひとつのかごにもるな) | 野村證券
これを考慮すると、現金や預金を資産として持つ以上は、敢えて日本国外にも投資する商品を保有することで、リスク分散になります。
投資信託を選ぶ際のポイント
- あなたがどのぐらい日本に「投資」しているかをチェック(現金や預金も考慮する)
- 日本の将来の見通しが暗いと思ったら投資先は海外資産に
よく、「日本の将来が暗いから投資しない(資産は現金・預金だけ)」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、そう感じるなら投資先を日本以外の国や地域にするのが一番です。
幸いなことに「つみたてNISA 」では日本以外に投資できる投資信託が多数あります。
例を挙げるときりがないですが、冒頭で挙げたTOPIXや日経平均株価など、日本のインデックスに属する投資信託を選択肢から除けばいいのです。
例えば、TOPIXに連動する以下の11本は、いずれも日本のインデックスに属しますから、これらをあなたの選択肢から取り除くのです。
海外に投資する投資信託は、日本の株価から直接的な影響を受けることはありません。
そのため、仮に将来日本が先進国から没落したとしても、あなたの資産は守られる可能性が高くなります。
つみたてNISAでオススメの国内株
eMAXIS slim 国内株式(TOPIX)
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は低コストな投資信託シリーズでおなじみの「eMAXIS slim シリーズ」に属するインデックスファンドで、日本国内株式に広く投資できます。販売ランキングも上位に位置しており、eMAXIS slimシリーズでそろえたい投資家にオススメ。
ニッセイ日経225インデックスファンド
ニッセイ日経225インデックスファンドは、ニッセイアセットマネジメントの主力商品の1つで、実質「<購入・換金手数料なし>シリーズ」に近い特徴を持っています。純資産が圧倒的に多い点と、2020年現在ではTOPIXよりも日経平均株価のほうがパフォーマンスが良いため、今後もこの傾向が続くと予想する投資家に向いています。
売り上げランキングで圧倒的上位なのも魅力ですね。
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まとめ
- あなたが「つみたてNISA」を利用して、日本に投資できる商品はたくさんあります。が、それを無条件に選んで良いかは考えたほうが良いです
- 将来の日本の株価に対するリスクとして、人口減少による経済低迷があります。必ずしも人口は株価に直接的な影響を与えるとは限りませんが、考慮したほうが良い事案の1つです
- 私たちは日常的に日本の資産をたくさん保有しています。「つみたてNISA」で日本に投資するということは、あなたの資産は日本と命運を共にすることを意味します
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