つみたてNISAで最も儲かる可能性がある商品は「新興国株式」クラスです。過去20年間の実績では、他の資産クラスを抜き、ダントツでの値上がり実績があります。
さて、この記事では、<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンドに毎月いくら積み立てたら、老後のお金はだいたいいくらぐらいになるのか、を試算します。ニッセイ新興国株式インデックスファンドは、つみたてNISA対象の新興国株式クラスの中で、もっとも低コストに投資できるファンドの1つです。
記事では理想的な数値を使っていますので、実際にはもう少し利益が減るものだと思って、ご覧ください。
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<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド の平均利回り
<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンドの幾何学平均利回りは、myINDEXの資産配分ツールより求めています。<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンドの投資先である「新興国株式」は1998年8月から2018年8月までに468%値上がりしています。これを20年で実現するには、毎年平均8.3%の利回りが必要です。
- 平均利回り:8.3%
※myINDEXの過去20年(1998年8月~2018年8月)のデータに基づく
※実際には信託報酬などのコストが生じるため、実際の利回りは少し低くなります。この利回りは理想的な結果です。
この利回りは様々な資産クラスの中で最も高く、過去20年間では一番儲かったといっても過言ではありません。もちろん、将来も同じような利回りになるかは不透明ですが、(大損する覚悟で)大きく儲けたいなら新興国株式への投資も候補に入れると良いと思います。
これを積立額別に計算し、将来(老後)の出口戦略まで見ていきましょう。
積立金額別の予想利益と節税額
毎月の積立額 | 20年後の評価額 (投資元本 + 予想利益) | 節税額 |
---|---|---|
1万円 | 593万円 (240 + 353) | 約72万円 |
2万円 | 1,186万円 (480 + 706) | 約143万円 |
3万円 | 1,779万円 (720 + 1,059) | 約215万円 |
さすが、利回りが高いだけあって、将来の予想成績も大きい数字になります。計算上は、毎月1.7万円以上積み立てると、20年後に1,000万円を超える可能性があります。
65歳以降のニッセイ新興国株式インデックスファンド運用時の老後の出口戦略
他の記事の例にあわせ、以下2つのパターンを考えます。
- プラン1:毎月5万円を均等に取り崩したら、積み立てた資産は何年利用できるか?
- プラン2:20年間継続して取り崩すなら、毎月何円まで取り崩せるか?
いずれも「65歳以降、公的年金とニッセイ新興国株式インデックスファンドの売却益をあわせて、老後の生活費とする」ためのプランです。
なお、現在の統計に基づくと、高齢者夫婦が1ヶ月を生活するうえで不足する金額は6万円ほどとされています。統計はあくまで統計ですが、今回はそれを参考にこの2つのプランを考えました。
プラン1:毎月5万円を均等に取り崩すなら、何年もつ?
運用したニッセイ新興国株式インデックスファンドを毎月5万円ずつ取り崩した際に、何ヶ月間生活費の足しにできるか、を計算します。取り崩さない分は、さらなる将来のために継続して運用するものとし、取り崩し額が毎月5万円(年間60万円)を下回る直前のポイントを探しました。
- 毎月1万円→平均593万円:約21年
- 毎月2万円→平均1,186万円:約50年以上
- 毎月3万円→平均1,779万円:約50年以上
計算上は、毎月2万円以上積み立てていると、老後に毎月5万円取り崩したとしても、お金が減らなくなります。1年で100万円近いお金が増えるためです。
とはいえ、8.3%という幾何平均利回りは毎年のリターンではないので、現実的にはもっと不確定な状況になります。特に今回は新興国なので、「8.3%」という数字を過信しないほうが良いです。
プラン2:20年間均等に取り崩すなら、毎月いくら?
運用で得た資産を65歳から85歳まで均等に取り崩すなら、毎月いくらになるかを求めたものです。
- 毎月1万円→平均593万円:616,720円 / 年(1ヶ月あたり51,393円)
- 毎月2万円→平均1,186万円:1,233,440円 / 年(1ヶ月あたり102,787円)
- 毎月3万円→平均1,779万円:1,850,160円 / 年(1ヶ月あたり154,180円)
なんと、うまく行けばつみたてNISAの運用で得た利益だけで生活できる水準になってしまいますね。計算上はとても魅力的です。
まとめるとこう
毎月1万円 | 毎月2万円 | 毎月3万円 | |
---|---|---|---|
20年後の評価額 (投資元本 + 利益) | 593万円 | 1,186万円 | 1,779万円 |
毎月5万円の解約 | 約21年 | 50年以上 | 50年以上 |
20年間の継続解約 | 51,393円/月 | 102,787円/月 | 154,180円/月 |
投資上の注意点
新興国株式を信頼して大丈夫?
うまく当たれば大きい新興国株式ですが、逆に金融危機にはめっぽう弱く、他の資産クラスに比べて大ダメージを受ける可能性があります。例えばリーマンショックでは-56%の下落を経験しており、1,000万円資産があっても500万円を割り込むような大きな下落を経験しています。
この相場で怖くなって、投資をやめてしまったら本末転倒です。
正直、他の資産クラスに比べ、ここまで紹介してきた試算は参考にすらならないと思います。ポートフォリオの一部を新興国株式に投資するならともかく、つみたてNISAで全力で新興国株を買うのは「ちょっと待った」と言いたいところです。
中国やインドはいつまで「新興国」?
ところで、新興国株式を構成する主な国に「中国」と「インド」があります。また、ブラジルや韓国、ロシアもGDPランキングの上位に登場するなど、比較的存在感のある国です。
将来、これらの国々はニッセイ新興国株式インデックスファンドがベンチマークにする「MSCI エマージングマーケットインデックス」から外され、先進国のベンチマークである「MSCI ワールドインデックス」に加わる可能性もあると思います。
その場合には、MSCI エマージングマーケットインデックスのパフォーマンスは現在よりも劣るかもしません。中国やインドのような成長力ある国々が出てこないかぎり。
参考:新興国株式の構成国(MSCI エマージングマーケットインデックスの場合)
- ブラジル
- チリ
- コロンビア
- メキシコ
- ペルー
- チェコ
- エジプト
- ハンガリー
- ポーランド
- ロシア
- 南アフリカ
- トルコ
- ギリシャ
- カタール
- アラブ首長国連邦
- 中国
- インド
- インドネシア
- 韓国
- マレーシア
- フィリピン
- 台湾
- タイ
購入できる証券会社
- SBI証券
- 岡三オンライン証券
- カブドットコム証券株
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
SBI証券や楽天証券で購入すると、ポイントが付与されるので他の証券会社よりほんのりお得です。
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まとめ
- ニッセイ新興国株式インデックスファンドの投資先でもある「新興国株式」の過去20年の幾何平均利回りは8.3%(実際には信託報酬などがかかるので、もっと下がる)
- 過去の利回りに基づくと、毎月2万円以上積み立てると、老後は1,000万円以上の資産となり、毎月5万円ずつ取り崩してもお金が減らなくなる可能性も
- 新興国株式は金融危機に弱いので、現実的に毎年8.3%ずつ増え続けることはありえない。投資する際は高い価格変動リスクも覚悟のこと
ところで、「全世界株式(除く日本)」との名前がつく商品を購入すれば、1つの投資信託で先進国と新興国に同時に投資できます。例えば、eMAXIS slim 全世界株式(除く日本)や、野村つみたて外国株投信などが該当します。もし、あなたが先進国と新興国にバランスよく投資したければ、そういった商品を選ぶ手もあることを知っておくと良いと思います。
ちなみに、日本を含む全世界株式として、楽天・全世界株式インデックス・ファンドがあります。こちらは日本を含め、全世界株式にバランスよく投資できる商品です。
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