結論から述べると、以下の理由から、つみたてNISAではETFに投資できますがオススメしません。
- つみたてNISAの非課税枠(40万円)に合わせた買い方をしにくい。そもそも少額で投資しにくい
- 取引できる証券会社が限られる(筆者が知る限り、大和証券)
- つみたてNISAでETFを買う利用者が圧倒的に少ない
では詳しく見ていきましょう。
なお、ここから先に述べるのは「国内ETF」の話です。海外ETFはまたちょっと異なる話なので、以下の記事で紹介しています。
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つみたてNISAで投資できるETF(国内ETF)
2019年12月現在で以下の7商品がつみたてNISA対応です。
上場インデックスファンドシリーズは以下の記事も参考になると思います。
ETFの利用をオススメしない理由
ETFの価格は40万円という枠に合わせにくい
つみたてNISAの非課税枠は年間40万円で、これはETFを購入した場合でも同じです。この40万円を使い切る必要はありませんが、使い切ろうとした時に利用しやすいのは投資信託です。
つみたてNISA対応のETFはそれぞれ1口あたりの価格が1万円~数万円程度で、つみたてNISAの非課税枠から考えるとかなり中途半端な価格です。しかもこの価格は毎日流動するため、おそらくどう計算したとしても、40万円という枠をきれいに使い切るのは難しい(ほぼ無理)と思います。
つまりiDeCoとか積み立てNISAは「きれいに使う」ことが重要な口座なのです。一回投資対象を選んだら(→世界の株式全部にまるごと投資するような、投資対象がデカいものほどよい)、二度と動かさず、利喰わず、ただ黙々と積み立てて!
— じっちゃま (@hirosetakao) June 2, 2019
分配金が欲しいなら一般NISAでもいいのでは
つみたてNISAでは高配当金目的の投資はできませんが、同じ非課税口座である一般NISAではETFのほかにも配当金目的の投資も可能です。
少額で投資しにくい
出典:Vol.122 つみたてNISAに採用されたETFに注目 | 日興アセットマネジメント
例えば、先に紹介した上場インデックスファンドシリーズの記事から引用すると、2019年11月6時点で上場インデックスファンドシリーズを購入するためには14,270円~36,350円のお金が必要になります。
一方、つみたてNISAで投資信託を購入すれば最低100円~1,000円から取引できます。少額投資で利用しやすいのはETFよりも投資信託です。
取引できる証券会社は大和証券のみ
筆者が知りうる限り、つみたてNISAでETFの取引提供する証券会社は大和証券のみです。多くの利用者がいると予想されるSBI証券と楽天証券、もしくは窓口で相談しやすい銀行やゆうちょなどではETFをつみたてNISA口座で買えないのです。
大和証券はNISA口座の口座管理料は無料ですが、それ以外で取引を行なった場合には口座管理料が発生する場合があります(というか、多くの人は発生すると思います)。つまり、つみたてNISAと併用して他の投資(例えば株主優待投資とか配当金目的の投資)などには向いていないのです。もちろん、あなたが手数料を気にしない程度のお金を持っていれば別ですが。
つみたてNISAでETFを買っている人は極めて少ない
出典:NISA・ジュニアNISA口座の 利用状況に関する調査結果の公表について | 金融庁
金融庁が2019年6月末時点のデータをまとめた、つみたてNISAの利用状況によれば、つみたてNISA口座での総買付額は約1,780億円でした。そのうち、ETFの買い付け額はわずか5,616万円と、全体のわずか0.03%の比率しかありませんでした。
このデータから言えることは、つみたてNISAでETFを買っている人は極めて少ないということです。
あなたが物好きならETFを買えば良いと思いますが、みんなと同じがよければETFよりも投資信託を買ったほうが無難だと思います。
よくある質問
SBI証券や楽天証券ではつみたてNISAでETFを買えますか?
SBI証券ではつみたてNISAでETFを選ぶことはできません。楽天証券も同様です。
分配金を非課税で受け取れますか?
分配金を非課税で受け取れますが、「配当金受取方式」を正しく選ぶ必要があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
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まとめ
- 2019年12月現在で、つみたてNISAで投資できるETFは7種類
- つみたてNISAの枠にETFの価格はあわせにくい。加えて取引できる証券会社が限られる
- 統計では、つみたてNISAでETFを買っている人は極めて少ない
ETFの商品性は否定しませんが、つみたてNISAとは相性が悪いので、普通は投資信託を買ったほうが良いと思います。
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