前の記事では、まったくの初心者がつみたてNISAを利用する前提で、「バランスファンドはどうよ」という話を紹介しました。
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そこで、この記事では、ある程度投資経験のある筆者ならどうするか、を紹介します。
筆者個人としては、つみたてNISAで「DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド」を選ぶ予定です。
DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド | 三井住友アセットマネジメント
理由は、もともと、この投資信託に投資していたから、というところも大きいんですけどね。
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DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドとは
DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドとは、日本を除く、先進国と新興国の株式に投資を行う投資信託です。
つみたてNISA対応商品でみると、同じ運用方針で運用される投資信託に、
- 全世界株式インデックス・ファンド
- 野村つみたて外国株投信
- eMAXIS 全世界株式インデックス
の3つがあります。
これら3つとDCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドは、運用会社と手数料体系が異なる以外は、基本的に同じような成績を期待できます。
全海外株式インデックスファンドが追従する「ACWI」
DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドはMSCI オールカントリーワールドインデックス(ACWI:all country world index)という指数と同じ成績になることを目指す投資信託です。
MSCI ACWIにはアメリカやEUの国はもちろん、中国やインドといった国々も含まれます。
あなたが投資信託をかじってる人なら、MSCIコクサイインデックスという名をご存知かもしれませんが、MSCIコクサイインデックスに新興国のインデックス(MSCIエマージングマーケットインデックス)が加わると、MSCI ACWIになります。
要するに、これまでの経済大国と、将来の経済大国にまとめて投資したいときに利用できる指数だということです。
リターンに対して、リスクの高い投資信託です
全海外株インデックスファンドが追従するMSCI ACWIはリターンに対してリスクの高い指数です。
情報サイト「myINDEX」のデータを利用すると、MSCI ACWIの過去20年間のリスクリターンは、
- リターン:5.7%
- リスク:18.9%
です。
リターンの数値に対して、リスクが高くなると、最終的な儲けの範囲が大きく振れるために、大きく儲かる可能性と大きく損をする可能性が出てきます。
そのため、全海外株インデックスファンドや、他のMSCI ACWIに追従する投資信託(全世界株式インデックス・ファンド、野村つみたて外国株投信、eMAXIS 全世界株式インデックス)は、あなたができるだけ元本を割りたくない時には避けたほうが良い投資信託です。
なお、過去20年間で最大の下落幅は、リーマンショックがあった2008年に52.9%の値下がりを記録しています(つまり投資額が1年間で半値になりました)。
逆に、大きな値上がりを記録したのは、2013年に49.9%です。
リスクが高い理由
- 投資先が100%株式である
- 中国やインドなどの新興国株式を含んでいる
新興国株式は特にハイリスクハイリターンな市場です。
- みんな新興国の経済成長に賭けています
- でも、金融危機が生じると、我先にと逃げます
つまり、大きな儲けを期待したい人向けの投資信託
要するに、DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド(および、全世界株式インデックス・ファンド、野村つみたて外国株投信、eMAXIS 全世界株式インデックス)は、
- 先進国の安定的な成長を享受し、
- かつ、新興国の成長にも期待したい
という、ちょっと欲張りな人のための投資信託です。
「MSCI ACWI」はどのぐらい儲かるのか
先ほどの、
- リターン:5.7%
- リスク:18.9%
の数値を利用して、モンテカルロ法による乱数計算を行ってみました。
その結果、毎月2万円を20年間積立投資すると、総積立額480万円に対し、123万円〜5,813万円と大きくばらつきます。
失敗すれば元本である480万円を割ってしまいますが、うまくいけば1,000万円や2,000万円といった利益を非課税で受け取れる可能性もあります。
上述のとおり、MSCI ACWIはリスクが高いため、DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドを運用した時の将来の運用成績は大きくばらつきそうだ、といえそうです。
なお、この計算結果は、あなたの将来の成績を保証・約束するものではありません。
選択のポイント
他の投資信託に対する優位点
- これ1つで日本を除く先進国を中心とした株式に投資できますので、世界の経済成長があなたの利益になります
- 確定拠出年金と併用されているため、資金流入経路が確保されており、運用上純資産不足になりにくいです
他の投資信託に対するデメリット
- 新興国を含むため、若干リスクが高くなります
- 比較的大きな値動きを許容できる、リスク許容度が高い人向けの商品です
こんな人にオススメ
投資先に日本は含まれませんので、株主優待銘柄を持っていたり、確定拠出年金で日本に投資している場合などに選ぶことで、投資先のバランスをとることができます。
繰り返しますが、「損をしたくない」という人よりも、積極的に利益を狙う「肉を切らせて骨を断つ」派の投資家に向いています。
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まとめ
- 「DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド」は「MSCI オールカントリーワールドインデックス」と同じ成績になることを目指しています
- 「MSCI オールカントリーワールドインデックス」には、日本を除いた先進国(アメリカやEU)と、新興国(中国やインドなど)が含まれます
- 新興国を含むため、リスクの高い指数です。「DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド」は損失を承知の上で大きなリターンを取りたい投資家に向いています
この投資信託に資産の全てを託すと心もとないため、確定拠出年金や他の運用方法を通じて、資産残高の増大化(というか、失敗したときのバックアップ)を図るつもりです。
「つみたてNISA」という枠組みのなかでは、もうこれで良いかな、と思ってる次第です。
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