2019年のつみたてNISAのブームは「アメリカ株」だと思います。初心者の方から相談を受けたときに、「アメリカに投資したい」という話を聞くことが多くありました。
2020年現在で著名なアメリカに投資できるつみたてNISA対象商品は以下の3つがあります。
パフォーマンス的な理由を考えると、楽天証券でeMAXIS slim 米国株式(S&P500)を購入するのが最善だと筆者は考えています。
この記事では、なぜアメリカ株式が人気なのか、2大ネット証券の売れ筋ランキングなどもみながら、アメリカへの投資について筆者の考えを紹介します。
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なぜ、米国に投資できる投資信託が人気なのか?3つの理由
あの有名企業に投資できる
アップルやマイクロソフト、グーグルやアマゾンなど、私たちにとって馴染みのある米国の大企業に投資できるからです。日本の企業は「イマイチ」なイメージをお持ちの方でも、これらの企業なら「将来儲かるんじゃないか」と感じたりしませんか?
最近米国株投資が熱いから
ここ数年、米国株投資関連の書籍が何冊か出版されており、アメリカに投資することに対する投資家の人気が高まっています。つみたてNISAは米国への個別株投資とは異なりますが、ファンドを通じて米国に投資するものですから、やはりこの人気の一環とも言えるのです。
リーマンショック後、最も高いパフォーマンスを上げたから
世界的な有名企業があっても、市場が儲からなければ話になりません(そう、日本のようにw)。しかし、米国株が人気になった背景には、リーマンショック後にもっとも高いパフォーマンスを上げたのが米国市場だったから、といった理由もあります。
ピクテの資料より引用
「有名企業も揃っていて、それでいて儲かる。しかも手軽に投資できる」
これが現在の米国株人気を支える理由です。
アメリカに投資できる主な投資信託
他にもいくつか種類がありますが、2019年11月時点で個人投資家に人気のファンドはおおよそこの3つです。この3つの投資信託は信託報酬も安く、特にSBIバンガードは「消費税込みでも0.1%以下」という恐るべき低コスト水準です。
楽天証券とSBI証券で異なる人気ランキングに驚く
2019年11月現在でSBIバンガードはSBI証券専売です。そのため、楽天証券とSBI証券では投資信託の人気ランキングが異なる様子を見せています。
これは2019年10月のSBI証券のつみたてNISAの月間積立設定件数ですが、eMAXIS slim 米国株式がランキングから消えましたね
SBI証券で米国株式インデックスを買ってた人の多くはSBIバンガードに乗り換えてるんじゃないかと思います
slim米は設定金額ベスト10からも消えてます pic.twitter.com/DPYL8VabMt
— Mirai Asset@東北投信🇨🇦 (@instockexnet) November 11, 2019
2019年10月、SBI証券つみたてNISA人気ランキング
2019年10月、楽天証券つみたてNISA人気ランキング
SBI証券利用者で、かつ米国株投資に関心がある投資家は、おおよそSBIバンガードに乗り換えてしまったようです。これまで同社のランキングに入っていた以下の商品の売り上げ件数は10位より下になってしまいました。
一方、SBIバンガードを購入できない楽天証券では、いまだにslimや楽天全米が上位に位置しています。
この変化には正直、筆者も驚きました。だって、まだ発売されたばかりでSBIバンガードの成績の良し悪しもよくわからないのに、「信託報酬が低い」という理由だけでみんな商品を乗り換えちゃったのですからw
「slim 米国 vs SBIバンガード」どちらが良いのか?
結論から述べると、楽天証券でslim 米国株式を買うのが正解です。この比較は以前東北投信のほうでやっていて、ポイント還元の関係で楽天証券のほうが優位であることをシミュレーションしました。SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは運用コストは安いものの、ポイント還元率が弱いため、長い目でみると楽天証券でslimを運用するよりも損をします。
「slim 米国 vs 楽天全米」どちらが良いのか?
こちらも、楽天証券でslim 米国株式を買うのが正解です。詳しいデータは明かしませんが、ETFをマザーファンドにする投資信託はトラッキングエラーが大きくなりやすい傾向があり、長い目でみるとそれが損失に繋がるかもしれません。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドもETFをマザーにする投資信託なので、その可能性はゼロではありません。より投信の安定度が高いのはeMAXIS slim 米国株式(S&P500)だと筆者は考えています。
投資リスク:本当にアメリカ一国のみに投資して大丈夫?
割と理解していない初心者の方が多いのですが、これらの投資信託はアメリカ「のみ」に投資する商品なので、将来アメリカの株価が低迷したら、当然儲からない可能性が生じます。リーマンショック以後の米国株は確かに強かったのですが、これは将来の成績を保証しません。
問題は、例えば2040年ごろに中国やインドを中心とするアジアに市場が移っていた場合、その恩恵を受けるのはいわゆる新興国かもしれません。「アメリカのみに投資する」ということは、そういう恩恵を取りこぼす可能性も大きくなることも意味します。
将来はどうなるかはわかりません。誰かのブログやTwitterの情報を鵜呑みにするのではなく、必ずあなた自身が考えて運用するようにしてください。と書いても、多くの人はきっと誰かの真似をするんでしょうけどw
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まとめ
- つみたてNISAでアメリカへの投資が人気な背景には、リーマンショック後の米国株の高いパフォーマンスやブログなどのSNSで話題になっていることに起因
- SBI証券と楽天証券で人気商品が異なる。SBIバンガードはSBI証券専売である点に注意
- アメリカ一国のみに投資するということは、将来の損益はアメリカに依存するということ。世界の「中心」が変われば、利益を取りこぼす可能性も
ちなみにeMAXIS slim 先進国株式インデックスなどの「先進国株式ファンド」もその6割ぐらいはアメリカ株です。個人的には、初心者の方にはそちらをオススメしたいです。
#つみたてNISA で米国株か先進国株かという選択で悩む初心者が多いんですけど、先進国株の中身も65%ぐらいはアメリカなので、実質「EUと豪州に投資するか投資しないか」の選択なんですよね
言い換えると、つみたてNISAで海外分散の資産に投資すると、漏れなく結構な割り合いの米株がついてくる
— Mirai Asset@東北投信🇨🇦 (@instockexnet) 2019年11月9日
いつも気になるのが、MSCIコクサイ連動投信とS&P500インデックス投信を平行して積み立ててる人柄意外に多いかも💦どうでもいいけど中身分かって買ってるのか気になる
— ポンチ熊@リハビリ中🍵 (@ponchiwork) November 11, 2019
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