結論から述べると、THEOよりも先につみたてNISAの利用をオススメします。その理由は、
- つみたてNISAのほうが手数料が安い
- つみたてNISAなら運用益に税金がかからない
の2点です。
THEOにはTHEO特有の魅力的な機能が搭載されていますから、つみたてNISAと併用する分には構わないと思います。その場合にはつみたてNISAを優先でご利用ください。
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つみたてNISAをおすすめします
筆者はTHEOよりもつみたてNISAの利用をオススメします。基本的にはウェルスナビの記事でも触れたように、コスト面の問題と非課税メリットが無い点を重視します。
つみたてNISAは手数料が安いです
一般につみたてNISAで選べる投資信託は、THEOの手数料体系よりも安上がりです。
以下ではTHEOの手数料を閲覧できます。THEOの手数料体系は預り資産の0.65%~1.0%の範囲で、このコストはつみたてNISAの一般的な投資信託の手数料よりも高額です。
長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(対象商品についてはこちら)
○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
- 販売手数料はゼロ(ノーロード)
- 信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
- 顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
- 信託契約期間が無期限または20年以上であること
- 分配頻度が毎月でないこと
- ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
例えば、THEOの平均運用額は57.4万円(2019年7月末時点)だそうです。この平均値の人は毎年0.80%のコスト(毎年4,592円)を支払っていることになります。
カラー | 手数料 (年率・税抜き) | 基準額 |
---|---|---|
ホワイト | 1.0% | 1万円未満 |
ブルー | 0.90% | 1万円~50万円未満 |
グリーン | 0.80% | 50万円~100万円未満 |
イエロー | 0.70% | 100万円~1,000万円未満 |
レッド | 0.65% | 1,000万円以上 |
出典:手数料 | THEO
一方、同額をeMAXIS slim バランス(8資産均等型)(信託報酬:0.154%(税込))で運用すると、税込みでも年間883円のコストで済みます。
当然ですが、支払うコストが少ないほどあなたが将来手にする利益は多くなります。将来の利益は不確実な資産運用において、支払う手数料だけは確実にコントロールできる要因です。
つみたてNISAは運用益を非課税で受け取れます
THEOにはつみたてNISAのような非課税制度がありませんので、利益を得るとその20.315%(2019年税制)の税金が発生します。例えば、50万円投資して80万円に増えた時点で利益確定を行なった場合、30万円の20.315%(= 約6万円)は税金として支払うことになります。
一方、つみたてNISAなら、非課税枠内で運用して得た利益には税金がかかりません。例えば50万円積立投資して80万円を得た場合、増えた30万円にかかる税金は0円です。
つみたてNISAとTHEOを併用してもよい
THEOの魅力的な機能に惹かれるなら
ただし、THEOにはTHEO特有の魅力的な機能が搭載されているのも事実です。
- AIアシスト
- スマートベータ運用
- リバランス
実際のところ、AI運用やスマートベータ運用は賛否両論あるため、無条件に「すごい」とは言えません。例えば、AI運用は過去の相場をもとに将来の相場を予測するため、経験のないイレギュラーな相場には弱くなります。以下はTHEOとは異なるAI投信の運用成績を紹介したもので、ほとんどが苦戦していることが述べられています。
このようなデメリットを述べても、THEOに魅力を感じてるならTHEOで運用すれば良いと思います。
幸いなことに、つみたてNISAは毎月100円からできますし、THEOも最低1万円から利用できます。10万円超を必要とするウェルスナビに比べると、THEOの初期投資額はかなり良心的です。
優先順位は「つみたてNISA > THEO」
コスト面や非課税メリットを考えると、いくらTHEOが魅力的な機能を有していたとしても、つみたてNISAで運用したほうが最終的な利益は多くなると予想されます。そのため、個人的に
- つみたてNISA
- THEO
の順番で資金を回すことをオススメします。お金が無い場合には、つみたてNISAのみでも構いません。
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まとめ
- THEOはコストが高いこと、非課税メリットがないことから、つみたてNISAでの運用よりも利益が少なくなる可能性が高い
- ただし、THEOには魅力的な機能が搭載されており、どうしても利用したい場合にはつみたてNISAと併用しても良い
- 併用する場合にはつみたてNISAを優先に
基本的に、筆者は「つみたてNISAとiDeCoのみで多くの人の資産形成は十分である」と考えています。その理由はやはりコスト面や非課税メリットの大きさです。
そのため、まずはつみたてNISAの利用をおすすめします。
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