結論から述べると、つみたてNISAではMMF(マネーマネジメントファンド)を購入できず、MMFの代用となる商品もありません。おとなしく、NISA口座を使わずにMMFを買いましょう。
では、詳しく。
つみたてNISAは利益を得て、その利益を非課税にするための制度です。そのため、比較的安全性の高い商品であるMMFは選択できません。ただし、例えば、
- つみたてNISA口座以外でMMFを買って運用する
- MMFではない、比較的リスクの低い商品をつみたてNISAで選ぶ
といったことは可能です。
なお、円建てのMMFはマイナス金利の影響で全て償還していますので、以下は原則として外貨建てMMFであることを前提に話を進めます。
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MMFはなぜつみたてNISAで買えないの?
期待利益が少ないから?
想像の域で語りますが、おそらく「MMF = 債券 = 利益が少ない = 非課税メリットも小さい」からです。
上記記事では、国内債券100%のファンドをつみたてNISAで購入できない理由として、以下のようなことを挙げています。
- 国内債券を運用したところで利益が少ないので、非課税枠のメリットを生かせない
- 日本銀行の金融緩和で、債券市場は歪んでいる
- 現在の国内債券利回りは日本銀行の目指すインフレ率に及ばない
そもそも、つみたてNISAも一般NISAも「利益を得てなんぼ」な制度なので、NISAを使って利益の出ない商品を買うメリットはありません(NISAの非課税メリットは運用で得た利益にかかる、からです)。
トルコリラMMFとか利回り高いよね?
トルコリラMMFや南アランドMMFなど、利回りの高いMMFは確かにあります。が、これらの通貨は高インフレのために円高になりやすく、利回りを相殺してしまう可能性が考えられます。
つみたてNISAで株式が選ばれたのは、過去の株式を中心としたポートフォリオの長期投資に優位性があったためです。一方、通貨や安全性重視の債券(短期債)は、商品性やインフレ耐性の面から選ばれなかったと予想されます。
ただし、特定口座で買うことは問題ない
MMFはつみたてNISA対象外ですが、
- つみたてNISAで株式ファンドを買い
- 特定口座(課税口座)でMMFを買う
といったポートフォリオを組むのは問題ありません。
為替リスクはありますが、債券そのものは安全性が高いものなので、米ドルMMFなどは外貨預金の代用にも使えますね。
つみたてNISAにMMFのようなリスクの低い商品はあるか
MMFほど低リスクではありませんが、債券を多めに含む、リスクの低い商品はあります。
- DC年金バランス30(債券重点型)
- ダイワライフバランス30
いずれのファンドも、債券比率70%、株式比率30%で運用を行なうバランスファンドです。つみたてNISAでは、これよりも債券比率の低いファンドは原則的に扱っていません。
DC年金バランス30(債券重点型)の場合、筆者がmyINDEXを利用した概算したときの利回りは約3%でした。国内債券のパフォーマンスを考慮すると、将来はもうちょっと低いと思います。
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まとめ
- つみたてNISAでMMFは購入できない。高利回りのトルコリラMMFや南アランドMMFも不可。特定口座で買おう
- 低リスクの商品を選びたいなら「DC年金バランス30(債券重点型)」や「ダイワライフバランス30」などを
- 「DC年金バランス30(債券重点型)」や「ダイワライフバランス30」は株式も含むので、やはりMMFとはちょっと性格の異なるもの。完全なる代用商品とは言いがたい
というわけでMMFはおとなしく特定口座で買いましょう。
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